エリオット波動|波の特徴を分かりやすく解説。基本を完全網羅

エリオット波動 上級編 FXの基礎知識

前回学んでいただいたエリオット波動理論の基本編。今回はさらに深く理解していただくために、エリオット波動のガイドラインを紹介していこうと思います。

基本編はエリオット波動の骨組みのようなものとなり、今回の上級編ではその骨組みに肉付けをしていただきたいと思っています。

ここでの内容を理解していただければ、エリオット波動を網羅したこととなり、後は実践あるのみとなります。

エリオット波動におけるトレードを充実させるため、エリオットの基本を覚えた方や、エリオット波動に詳しい方でも、有益な内容となっているので、是非最後までお付き合いください。

エリオット波動理論を深く理解するために

前回の記事では、エリオット波動とはどんなものなのかを理解していただけたのではないでしょうか。まだ読んでないよ!って方は⏬の基礎編をクリック

エリオット波動の数え方|初心者でも出来る!波を見つける方法とは
FXには現在、様々な理論が存在しており、その中でも多くの書籍や記事があるのにも関わらず意外と正しい理解で活用できているトレーダーが少ないのが「エリオット波動理論」です。ここではエリオット波動理論の正しい知識を付けていただけるよう、初心者でもわかりやすく、上級者でも勉強になる、FXにおけるエリオット波動のわかりやすい数え方を紹介していきます。

今回は、エリオット波動の基本を理解していただけた方が、より実践的にエリオット波動を使うことが出来るために必要な、各波動の詳細な内容と、各波動の個性を詳しく解説していこうと思います。

各波動にはルールだけでなくガイドラインや波ごとの個性が存在し、各波動のルールを厳守した上でさらに精度を高めるために必要な内容です。

さらに、同じ波形にも様々なパターンが存在し、パターンごとに異なる形になることもあります。

各波動をより詳しく理解することで、より多くの波動をカウントすることができトレードチャンスが増え、より多くの利益を上げるチャンスに巡り合うことが出来るでしょう。

エリオット波動理論における8個のガイドライン

エリオット波動理論には8個のガイドラインが存在します。

ガイドラインは、ルールのように絶対に厳守しなければならない内容ではありませんが、エリオット波動の精度を高めるために作られた補足のようなものです。

ガイドラインを覚えることで、各波動の特徴を更に詳しく知ることができます。

少し難しくなる部分もありますが、非常に重要な部分となるので、しっかりと覚えてください。

①波の延長(エクステンション)

インパルスの延長

インパルスの1波・3波・5波は巨大化することが多く、特に3波は巨大化する可能性が高くなっています。

インパルスのルールである「1波・3波・5波の中で3波が一番小さくなることはない」と合わせて考えると、3波は1番伸びやすい波という認識を持っておいていいでしょう。

修正波の延長

波の延長はインパルスについてのガイドラインですが、修正波にも波の延長のような現象が現れることがあります。

ジグザグが延長する場合、一つのジグザグでは修正が不十分な場合に、2つ、3つとジグザグが連なって発生する場合があり、この形を「ダブルジグザグ」「トリプルジグザグ」と呼び、波の延長の一種として数られます。

②波の均等正

インパルスの1波・3波・5波のうち、2つの波が同じような形になることを「波の均一性」と呼び、さらに一つの波がエクステンションを起こした場合は、残り2つの波の均一性が高くなりやすい傾向があります。

このことを頭に入れておくことで、インパルスの各波動の終着点をあらかじめ予想することが可能になります。

例えば、3波がエクステンションした場合、5波は1波と同程度の形になりやすいことがわかるのです。

③オルタネーション

オルタネーションとは、同じ波の中に同じ種類の修正波が発生しづらいという現象です。

主に、インパルスとフラットに当てはまるガイドラインとなります。

インパルスのオルタネーション

インパルス内の2波と4波は修正波となりますが、この2つの波が同じ波形になることはあまり多く見られません。

2波は価格的な修正が入りやすく、ジグザグになることが多いです。

しかし、4波は時間的な修正が入ることが多くなるため、フラットやトライアングルなどの「レンジ相場」に近い形の修正波になりやすくなります。

フラットのオルタネーション

フラットはレンジ相場のような修正波となり、A波とB波はほぼ同じ値幅の波動になります。

しかしA波とB波は、別々の波形になることの方が多いのです。

さらに、時折同じ波形になった場合でも、一方がシンプルな波形、もう一方が複雑な波形になるなど、同じ値幅の動きでも、性格の異なる波動になりやすいという特徴があります。

④チャネリング

インパルスには綺麗なチャネルを引けることが多く、チャネルを引く事により次の波動の終着点を予想することができるのです。

まずは1波終点と3波終点に線を引き、引いたラインと平行なラインを2波終点に当ててください。

これにより、3波終了時点で4波終点と5波終点がわかることになり、その波の完成形が予想できます。

しかし、このチャネルは終点の目安となるものであって、必ずしもそこで波が終了するとは限らないため、あくまでも目安の一つとして考えてください。

インパルスのチャネリング

⑤出来高

出来高、いわゆる相場参加者の数を見ることでも、波動についての予測を立てることができます。

基本的にはその波形が、終了に近づくにつれて出来高が下がっていく傾向です。

しかし、終了予定ポイントに近づくにつれて出来高が上がっていく場合には、その終了予定地点を大きく超える合図となることが多く、大きな価格変動が起きる可能性が高まります。

⑥比率関係

エリオット波動における比率関係とは、主に推進波同士が一定の比率関係になりやすい現象を指し、フィボナッチ比率と関係の深いものになります。

さらに修正波にもフィボナッチ比率が当てはまることもあり、エリオット波動全体がフィボナッチ比率と深い関係にあるということです。

フィボナッチ比率については、また別の機会に詳しく解説できればと思いますが簡単な例を上げるとインパルス3波が1波の161.8%の値幅になったり、インパルス2波が1波の61.8%戻したりと、様々な場面でフィボナッチ比率が現れることがあります。

⑦修正波の深さ

修正波の深さについてまずあげられるのが、「インパルス4波の修正の深さは、3波の副次波の4波の終点付近になりやすい」ということです。

さらにインパルス2波については価格的な修正が大きくなり、1波の値幅の61.8%か50%になることが多く、同じようにジグザグのB波もA波の61.8%か50%の修正になりやすい傾向となります。

修正波の深さについてのガイドラインは、⑥の「比率関係」と大きく関係しているガイドラインとなり、⑥と⑦はセットとして覚えておいても問題ありません

エリオット波動 修正波の深さ

⑧波の個性

波の個性とは各波が持つ特徴のようなものとなり、いつの時代の相場参加者も各局面において同じ特徴を持つ心理状態となり、各局面には必ず傾向と対策が存在するということを表しています。

ここでは波動ごとの特徴を簡単に紹介していきます。

1波・A波

1波・A波は波の切り替わりとなり、多くの相場参加者がトレンド転換を想定していない状況になります。

しかし直前の修正波に比べると出来高が上昇し、トレンド転換の兆候も少なからず出始めていくことにより、徐々にトレーダーたちの動きが変化し始めるでしょう。

これによりいきなり本格的で大きなトレンド転換が起こることもあり、新たなトレンドの土台を作っていくことになります。

2波・B波

2波・B波の時点ではまだトレンド転換を確信できていないトレーダーも多く、それにより前回のトレンド方向への注文も多くなります。

これにより2波の特徴である、価格変動の大きな修正波となるのです。

B波にも同じことが言えますが、2波に比べてB波の場合は価格変動が大きくなりづらい傾向になります。

3波・C波

3波・C波はダウ理論によるトレンドの確認ができることや、出来高の上昇、トレンドへの確信など、疑う余地のないトレンドになりやすく、最も乗りたい波として多くのトレーダーが注目する局面となります。

これにより、派手な動きになることが多く、誰の目にも疑う余地のないトレンド状態です。

しかし、意外と大きな価格変動が起こらない場面もあり、特にC波はそのような場面も多く見られます。

4波

4波は価格変動の小さな波になりやすいと同時に、最も捉えることが難しい波と言えます。

大きな上昇後の、まるで時間を稼いでいるかのような波は、波形の特定が難しく、ここでトレードを仕掛けることは非常に困難な局面と言えるでしょう。

5波

5波はこれまでトレンドが続いてきていることから、安易な気持ちでトレンドに乗ろうとするトレーダーが多くなる反面、実はトレンド転換の時が刻一刻と迫ってきています。

安易にトレンドに乗ることをせず、出来高の減少などを見極めながらのトレードが必要です。

D波・E波

トライアングルは5波動の修正波となり、D波とE波が存在します。

D波・E波は複雑化しやすい波となり、リアルタイムで正確に捉えることが難しい局面です。

E波では波動の最終局面となるため、新たな波動が形成される準備段階にもなっています。

まとめ

今回の記事では、エリオット波動理論をさらに有効に活用するための「ガイドライン」を中心に紹介させていただきました。

ここでの内容を理解していただくことができれば、エリオット波動の基本を網羅したも同然となり、トレードに必要な最低限の知識を学んでいただけていることでしょう。

ここでの知識を持って実際にチャートを見ていただければ、さらに内容を深く理解していただけることになり、エリオット波動の理解をさらに深く理解してもらえると思います。

ここからは沢山の実践を積んでいただき、理解を深めていただければ幸いです。