エリオット波動理論を理解できたトレーダーは、いよいよ実践でエリオット波動を用いたトレードを初めていくことになります。
波動について学んでも実践で使えなければ意味がありません。
ここでは、各波形や波動ごとのトレード戦略や、トレンドに乗る方法、さらに3波の見つけ方などを紹介し、その際の注意点なども解説していこうと思います。
覚えてしまえば案外簡単にトレード戦略を立てることが出来るので、是非今後のFXトレードに生かしていってください。
エリオット波動を用いたトレード手法の考え方
エリオット波動を使ってのトレードだけでなく、FXトレードで安定した収益を上げるためには、念密なトレード戦略を立てる必要があります。
まずは、実践的なトレードを考える前に、大まかなトレード戦略を立ててみましょう。
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Risk Reward Ratio(リスク・リワード・レシオ)
リスク・リワード・レシオとは、簡単に言うと利益と損失の比率です。
この通称”RRR”と、勝率の関係が非常に大切になっており、このバランスが大切となります。
エリオット波動でのトレードは、比較的”RRR”が高水準のトレードを仕掛けることが多くなり、勝率50%以下でも安定した成績を残せることもよくあります。
有名な「バルサラの破産確率」に当てはめると、”RRR”が2倍以上あれば勝率45%で破産確率が0%になることから、まずは「平均勝率45%以上・平均RRR2倍」を目指してみると良いでしょう。
狙う波の階層
エリオット波動を用いてのトレードをする場合、まず一番大切な要素がフラクタル構造です。
まずは大きな階層の波をカウントし、その中にあるそれよりも小さい階層の波でトレードを仕掛けます。
そして、大きな階層のRewardを狙い「Take Profit」つつ、小さな階層のRiskを想定損失額「Stop Loss」としましょう。
しかし、”RRR”を高く想定することに比例して勝率が下がるので、適度なバランスが大切になります。
バランスに関しては、徐々に実践を積みながらバランスを整えていければいいので、まずは先程お伝えした「平均勝率45%以上・平均RRR2倍」程度から初めてみましょう。
フラクタル構造における波の細分化
先程も説明したとおり、RRRが高くなればなるほど勝率が下がるというジレンマは、FXトレードに置いて永遠の課題となってきます。
RRRと勝率を高水準で保つために最も有効な手段となるのが、フラクタル構造における波の細分化を図る作業です。
簡単に説明すると、エントリーする場合に、なるべく細かな波まで詳細にカウントすることができれば、リスクをより小さなものとしつつリワードは変わらないということができます。
エリオット波動を使用したトレード手法
インパルスにおけるトレード戦略
まずは、インパルスにおける最も簡単なトレード戦略を紹介します。
インパルス5波動目終了を発見することができれば、それよりも大きな波の推進派が完成したことになり、次に来る大きな時間足での波を狙うことができるでしょう。
この手法のポイントは、インパルスが比較的カウントしやすい波であり、カウントミスや勘違いを防ぎやすいトレード手法であることです。

まずは1時間足で、下落のインパルスが完成したとします。
さらに、そのインパルスの5波動目を15分足で見てみると、インパルスとなっており、インパルスの最終局面である5波の中にインパルスを発見することができました。
そしてエントリーポイント①では、15分足インパルス4波終了の水準を超えることで、15分足インパルスが終わったことが確定し、絶好のエントリーポイントといえるでしょう。
ストップロスは1時間足インパルス5波が終了した場所、テイクプロフィットは1時間足インパルス5波の始点です。
この場合、1時間足5波が本当に完成していた場合、高い確率で1時間足5波始点まで上昇する可能性が非常に高くなり、シナリオが間違っていなければ非常に有効なトレードになります。
ここで勝率をもう少し上げたい場合には、エントリーポイント②の1時間足4波の水準を超えてからエントリーをすれば、勝率をもう少し上げることができるでしょう。
どちらのエントリーポイントでエントリーするかは、RRRや資金状況に応じて選択することが必要になるので、あらかじめRRR (リスクリワードレシオ)についての戦略も立てておいてください。
ダイアゴナルにおけるトレード戦略
ダイアゴナルが出現するポイントは基本編でも紹介したとおり、一つ上の波の、初めの波か最後の波となり、初めの波として出現するダイアゴナルを「リーディングダイアゴナル」、最後の波として出現するダイアゴナルを「エンディングダイアゴナル」と呼びます。
「エンディングダイアゴナル」が出現した場合、ひとつ上の階層での波形が完成し、ひとつ上の階層の新たな波が始まるタイミングとなり、ここを狙うことができれば非常に有効です。
ここでは、その「エンディングダイアゴナル」を用いたトレードを紹介します。

まずは1時間足でのエンディングダイアゴナルを発見しましょう。
エンディングダイアゴナルは、インパルス5波、ダイアゴナル5波、ジグザグ3波、フラット3波の、合計4種類の箇所で発生する可能性があります。
エンディングダイアゴナルを発見したら、先程と同じようにフラクタル構造を用いて5波目を細分化し、エントリーポイント候補を絞りましょう。
エントリーポイント①は3波終了地点となり最もRRRが優秀なポイントですが、ここでダイアゴナル終了の確信を持つことは難しいポイントになるので、他の要素がよほど収集でない限りはエントリーする必要は無いでしょう。
しかし、他にも強い要素が揃い、自信を持ってエントリーできる場合であれば、非常に優秀なエントリーポイントといえます。
エントリーポイント②は最もベターなエントリーポイントとなり、最もオススメのエントリーポイントです。
1時間足エンディングダイアゴナル5波の、15分足インパルスの4波終了地点となり、ここを超えればある程度の自身を持ってトレードを仕掛けることが出来るでしょう。
RRR的にも2倍以上を確保出来ることが多いポイントとなり、まずこのポイントでのエントリーを目指してみてください。
エントリーポイント③の場合は、1時間足エンディングダイアゴナル4波終了地点となり、ここを超えた場合高確率でシナリオが肯定される事になります。
ここでの問題点は、圧倒的にRRRが悪くなることです。
良くても1対1程度しか見込むことができず、1時間足エンディングダイアゴナル始点を超えていく想定でないと、トレードを仕掛けることは難しいでしょう。
さらに大きな足の状況次第では、エントリー可能となるため、フラクタル構造を用いた分析で4時間足や日足などの分析も加味して判断してください。
まとめ
今回は、エリオット波動を用いたトレード戦略を紹介しました。
エリオット波動を用いたトレードも、そうでないトレードも、安定した利益を得るために最も大切なことは、しっかりとしたトレード戦略を立てることであり、無理のない資金計画をすることです。
そして、エリオット波動で最も大切な、フラクタル構造での分析を怠らずに分析してください。
方法論として非常に優秀なエリオット波動理論を用いたトレードは、ルールやガイドライン、フラクタル構造をしっかりと理解し、戦略的にトレード仕掛けることで効果を発揮することでしょう。