世の中のFX取引には、様々なトレードスタイルやトレード理論が存在します。
今回解説するプライスアクションとは、主に欧米の投資家がよく用いる手法ですが、古くは「酒田五法」という日本で生まれた分析方法と非常に似ているなど、私達日本人にも意外と馴染みやすい取引手法となっているのです。
今回は、そんなプライスアクションを、メリット・デメリットや一覧を用いつつ、FXトレード(特にスキャルピング)での使い方、活用方法などを、詳しく解説していきたいと思います。
プライスアクションとは
プライスアクションとは、日本語に直すと「値」の「動き」となり、値の動きを表しているローソク足から相場心理を読み取ることにより、FXの取引を有利に進めようとする手法になります。
プライスアクションは数本のローソク足から相場心理を読み取り、過去の経験や事象に基づき売買の判断を行います。
ローソク足数本の動きを重要視するプライスアクションは、主に短期的なトレードをする場合に用いられることが多く、スキャルピングと相性抜群の取引手法です。
欧米ではポピュラーな取引手法となっており、欧米の大口投資家やディーラーたちが、プライスアクションに基づいた取り引きを行っているため、多数決のようなゲームであるFXでは間違いなく知っておく必要のある手法となります。
プライスアクションのメリットとデメリット
まずはプライスアクションの”メリット”と”デメリット”を知ることで、プライスアクションを用いて取り引きするべき場面と、プライスアクションを用いた取り引きをするべきではない場面を知ることができます。
ここで紹介する”メリット”と”デメリット”を覚え、プライスアクションを使うべき場面を見極められるようになることが勝利への近道かもしれません。
プライスアクションのメリット
まず、プライスアクションの一番の強みは瞬発力です。
ローソク足数本で売買の判断ができるので、相場の動きにいち早く反応することができ、瞬時に判断を下すことができます。
スキャルピングなど、瞬時の判断が求められるトレードと非常に相性が良くなっています。
また、他の手法を用いてトレードしていた場合でも、エントリーのタイミングを図る場合に使えます。
さらに、長期的なトレードをしている場合でも、エントリーのタイミングや決済のタイミングを、プライスアクションを用いておこなうことで、細部にまでこだわった無駄のないトレードが出来るでしょう。
プライスアクションのデメリット
プライスアクションはローソク足数本で判断するため、短期的な取り引きでは非常に威力を発揮しますが、スイングトレードなどの長期的なトレードではあまり有効な手段と言えません。
また、エントリー根拠としての使用では有効なプライスアクションですが、環境認識として使用することは難しいでしょう。
まずは、インジケーターやダウ理論・エリオット波動理論などで環境認識を行い、最後にエントリーする根拠としての使用にのみプライスアクションを用いる必要があります。
そのため、プライスアクションのみを覚えても、有効な取り引きをすることは難しく、あくまでもエントリー根拠のみの使用になるでしょう。
環境認識や相場の方向感が知りたい方は、こちら記事を参考にしてください。

代表的なプライスアクション3選
プライスアクションには数多くのパターンが存在しますが、ここではとくに頻出する3選をご紹介していきます。
①ピンバー

ピンバーとは、FXにおいて最も代表的な反転のサインです。
ピンバーが出現するとトレンド転換のサインとなり、相場が反転することを想定できます。
ピンバーの定義
実体の3倍以上ヒゲがある形
短いヒゲと実体が1/3以下
長いヒゲが2/3以上
あくまでも目安なので、ある程度この形に近ければピンバーと言えます。
しかし、この数値に合致している方が信頼度が上がり、かけ離れていればいるほど信頼度は下がるでしょう。
②インサイドバー

インサイドバーとは、ローソク足数本単位で作られるレンジ相場です。
トレンドを作る力をためている状態となり、ブレイクすればトレンドが発生する可能性があります。
インサイドバーの定義
一つ基準(母線)として決めたローソク足の、高値も安値も更新しない状態
簡単に言うと小さなレンジ相場
動きが徐々に小さくなっていく場合、ブレイクした際の強いブレイクの可能性が高まります。
酒田五法では「はらみ足」というよく似た理論があります
③スラストアップ・スラストダウン

スラストアップは強い上昇トレンドが出ている場合など、相場がはっきりとした方向性を持っている時に出現しやすいチャートパターンです。
スラストダウンは逆に、強い下降トレンドの場合に出現しやすくなります。
強いトレンドが発生すると、スラストアップorスラストダウンが頻発します。
スラストアップ・スラストダウンの定義
スラストアップとは直前のローソク足の最高値(ヒゲも含む)を上回ってローソク足が確定することです。
スラストダウンとは直前のローソク足の最安値を下回ってローソク足が確定することです。
プライスアクションを実際のチャートで解説

まずは1時間足で環境認識から始めていきましょう。
長い下落の後、ボトムで2回反発していますが、上値も重たくレンジ相場のようになっています。
ボトムを2回つけたこと、黄色線の20SMAを上抜けしていることから、5分足で上昇を狙ってみます。

その後5分足で見て行くと、徐々に高値を切り下げながら推移していきますが、スラストダウンを伴った下落の最後に①のピンバーを作り、次の足では大きな陽線を形成します。
そして次の足でも②のピンバーを形成し、20SMA・トレンドラインを上抜けしました。
複数の条件とチャートパターンが揃ったので、ロングエントリーをしてみましょう。損切りは①ピンバー下抜けとします。利確に関しては、プライスアクションを見て臨機応変に対応してみます。

その後のチャートを見ていきます。
エントリー後すぐに、スラストアップを伴う強い上昇をしています。一度大きな戻しが入りますが、20SMAに支えられ、さらに上昇しました。
その後、最高値を付けたあたりから上ヒゲが頻発し、2本連続のピンバーを確認したところで決済しました。
プライスアクションを使うときの注意点とポイント
プライスアクションは、トレードにおいて一つの大きな判断材料になります。
では、実戦で活用するためには、どのような事に注意したらいいのでしょうか。
環境認識が全てと言っても過言ではない
プライスアクションを使いスキャルピングをする場合、どうしても短期足でプライスアクションを探すことに躍起になってしまい、大きな目線で見ることを怠ってしまうトレーダーは多いでしょう。
まずは1時間足や4時間足で、現在の状況を確認することが非常に大切です。
より上位の足ではトレンドが出ているのか?近くに意識されているレジスタンスライン・サポートラインはあるか?など、5分足など短い足でトレードを始める前に、まずは大きな流れを確認する癖を付けてください。
教科書通りの形など存在しない
ここまでチャートパターンを長々と説明しましたが、実際のトレードでは教科書通りの方法でトレードしても、なかなかうまく行かないでしょう。
ピンバーが出ても、全てが反転するわけではありません。
反転のサインが出ても、反転するどころかトレンドが加速するなんてこともよくあります。
そのピンバーは「反転するピンバー」なのか「反転しないピンバー」なのかを見極めることが大切です。
トレンドには調整期間が存在します
トレンドには、時間や価格を調整するための期間が存在します。
上昇トレンドであれば「押し目」、下降トレンドでは「戻り」のことで、この期間はトレンドが一旦休みの状態です。
その場合、トレンドが終わったのではなくトレンドが調整に入ったことになるので、その後は元のトレンドに戻っていきます。
チャートが反転した場合は、トレンド転換したのか、調整期間なのかに注意してください。
まとめ
今回は、チャートパターンの基本として、3種類のチャートパターンを紹介しました。
どれもチャート上ではよく見られるチャートパターンとなるので、チャートをみていればすぐに見つけることが出来きます。
チャートパターンは欧米の投資家には非常にポピュラーな分析方法であり、チャートパターンをマスターすることができれば、FXトレーダーとしてのスキルが格段に上がるでしょう。
是非、そんなチャートパターンをマスターしてください。