FXでは現在の相場環境を把握しやすくする為に様々なラインがあります。トレンドラインと同じく水平線も、今の相場環境を認識する為に引くラインの一つです。
でも水平線ってどこでも弾けそうなんですよね。
本当に意識される水平線とは、どこに引くのかについて考えていきたいと思います。
FXチャートで水平線をなぜ引くのか。
トレンドラインと同じように、水平線を引く事で今の相場環境を、視覚的に分かりやすくすることが出来ます。
今の相場はどのあたりが意識されているのか、どの辺りでレジスタンス、サポートとして機能するのかを、目印をつける為に水平線を引きます。
機能する水平線を引くことができれば、エントリーポイントや損切り、利確位置を考える一助になるでしょう。
意識される水平線の引き方
引こうと思えば水平線は、チャート上に沢山引けてしまいます。でも、闇雲にラインを引けば良いと言うわけではありません。
では、一体どこに水平線を引くと効果的なのでしょうか。
水平線は取捨選別する
全てのラインを把握できれば意味があるかもしれませんが、一般的にはチャートが醜くなってしまいます。そして、トレードに迷いがでてしまい、誤った判断に繋がるでしょう。
トレード中に動く値幅にあわせて、直近の価格の上下に2本〜3本で十分です。
また、トレードスタイルによりますが、1時間以下の短い時間足の水平線は邪魔です!細かなレンジを狙うとき以外は引きません。
自分のトレードに合わせて、取捨選別し本当に必要なラインを残しましょう。
より上位の足から見る
チャートの高値、安値は誰もが意識する価格帯です。
しかし、見る時間足によっては、なんでもない場所かもしれません。自分がトレードする時間足よりも、上位の足から水平線を引く事をおすすめします。
相場の値動きは、投資家の多数決です。より多くの投資家が意識する水平線、つまり上位足からラインを引き、複数の時間軸で引いた水平線が重なったとき、より機能する水平線になります。
FXチャートで水平線を引く場所
先に述べたように、FXのチャートは大衆心理で動いています。その為、本当に機能する水平線とは、「どれだけ多くの人がその価格帯を意識しているか」にかかっています。
FXチャートで水平線を引くべき場所は、ざっくりと下記の2種類です。
- 直近で意識される価格帯
- 昔から意識された価格帯
それでは、具体的に見ていきましょう。
直近で意識される押し安値(戻り高値)

ダウ理論では、トレンドは明確なシグナルが出現するまで継続します。
転換シグナルとは、上昇トレンドの場合、最高値を作った押し安値を突破すること。
下降トレンドなら、最安値を作った戻り高値です。
つまり、ここはトレンドの最終防衛ライン。トレンドフォロー組と、トレンドが崩れて欲しい組がバチバチに戦います。
長期ダウでも、短期ダウでも同じことが言え、突破するとダウの否定につながる価格帯です。押し安値(戻り高値)は必ずチェックしておきましょう。
レジサポ転換したライン

何度もレジスタンスされてきたラインは、突破されたあとサポートラインとして機能しやすくなります。
それは「このラインは固かったからサポート(レジスタンス)として機能する」「一つ上(下)の価格帯に移った」と大衆が認識しているからです。
この「大衆が」というのがとても大事で、多くの人が意識しなければ、レジスタンスとしても、サポートとしても機能しません。
レンジの高値と安値

レンジの上限や下限の前後には、利確と損切りが集まりやすくなります。また、レンジの高値や安値は、長い時間足からも認識しやすいです。それだけ多くの人が見ているだけに、その価格帯を抜けると一気にレートが動きます。
過去に意識されたライン
たとえば、1995年4月のUSD/JPYの最安値である79.75円のような価格は、投資家のみならず、FXに関心がない人でも気になる価格帯です。現在のUSD/JPYの価格帯から、最安値である79.75円に1日2日で到達することはないでしょう。
最近では、USD/JPYの高値である131.3円付近でしょうか。この価格をタッチしたらニュースになるかもしれませんね。

USD/JPYの過去最安値ほどの注目でなくても、直近で意識された価格は、少なからず人々の意識に残っています。上記、赤円のように、過去に意識されたラインは、今回も機能していますね。
意識される価格帯に価格が近づけば、簡単には抜けないと判断し、反転を意識する人も出てきます。
・ショートの利確/損切りは買い注文
・ロングの利確/損切りは売り注文
ですから、意識される水平線付近では注文が集中するため、激しく揉み合ったり、急な値動きが起こりやすくなります。
まとめ
意識される水平線の引き方についてまとめてみました。
いずれも、大衆に意識されていることが前提です。
自分の水平線が正解なのか?大衆が意識しているか?正解は、そのライン付近のプライスアクションで判断するしかありません。
しかし、意識される水平線が引けると、格段にトレードが楽になります。
補足として、記事内の画像はライン1本で表記しましたが、水平線は「帯」と捉えた方が格段にトレードが楽になります。為替相場はピッタリ止まることは稀です!
水平線前後、ローソク足のヒゲ先〜実体ぐらいの余裕をもった「水平帯」と考えましょう。