グランビルの法則は、移動平均線とローソク足の関係から売買のタイミングを図るための法則です。ダウ理論とならび、為替や株取引の世界では基本となっています。多くの熟練トレーダーは理解しているだけに、知らないだけで損をしているかもしれません。しっかり理解して使いこなせるようになりましょう。
グランビルの法則とは

グランビルの法則は、4つの買いポイントと4つの売りポイントの合計8パターンがあります。
買いの4パターン
①移動平均線が下落後、水平から上向きに転換したとき、価格が移動平均線を下から上に突き抜けた場合
②移動平均線が上向きのとき、価格が移動平均線を下抜けするも、再度上昇に転じたとき
③移動平均線が上向きのとき、価格が下落するも、移動平均線の手前で再度上昇するとき
④価格が大きく下落し、移動平均線との乖離が大きくなったとき
売りの4パターン
⑤移動平均線が上昇後、水平から下向きに転じたとき、価格が移動平均線を上から下に抜けた場合
⑥移動平均線が下向きのとき、価格が移動平均線を上抜けするも、再度下落に転じたとき
⑦移動平均線が下向きのとき、価格が上昇するも、移動平均線の手前で再度下落するとき
⑧価格が大きく上昇し、移動平均線との乖離が大きくなったとき
グランビルの法則|移動平均線や時間足の設定は?
グランビルの法則で使用する移動平均線や時間足は、どのような設定にすればいいのでしょうか。
米国の金融ライターだった「ジョゼフ・E・グランビル」は、日足と200日移動平均線が最も信頼できるとのこしています。
しかし、個人的には1時間足や4時間足に期間200の移動平均線の組み合わせや、もっと期間の短い移動平均線でも機能すると体感しています。
詳しくは、移動平均線の記事で記述しますね。

グランビルさんってどんな人?
ジョセフ・エンサイン・グランビル(1923年8月20日– 2013年9月7日)は、投資セミナーの講演者や金融ニュースレターを発行した人物です。
グランビル氏は、グランビルの法則だけでなく、株価に大きな変化がなくても出来高が急激に上昇すると、やがて価格も上昇する。その逆もまたしかりであると主張しました。このオンバランスボリューム分析もまた、「ジョゼフ・E・グランビル」によるものです。
では、グランビル氏の投資アドバイスは的確で、グランビル氏も投資で爆益をあげていたのでしょうか。
真実はわかりませんが、投資ニュースレターのパフォーマンスを追跡してきたハルバート・フィナンシャル・ダイジェストの編集者 マーク・ハルバート氏は、多くのインデックスファンドと同様に、グランビルのパフォーマンスを比較した結果「非常に悪い」と述べています。
肝心の投資はイマイチだったようですね。
一方で、グランビル氏は偉大なショーマンとしても有名です。
顧客に会うときは、プールの上を歩くようなパフォーマンスで登場したり、投資会議では、棺の中から登場したりと、常に話題性がある人物だったようです。
グランビルの法則|8つの売買ポイント
移動平均線と、ローソク足の関係からエントリータイミングを図るのがグランビルの法則です。
それでは実際のチャートで確認していきましょう。
グランビルの法則|4つの買いパターン

グランビルの法則4つの買いパターンの内、①は移動平均線が水平から上昇に転じたタイミングでの、ローソク足の上抜けでエントリー。つまりトレンドの反転を狙うエントリーになります。
②と③は移動平均線を使った押し目買いです。移動平均線が上向きの状態で、ローソク足が下落後、再度移動平均線を上抜ける動き、もしくは、移動平均線より上での反発を狙っていきます。

グランビルの法則の4つの買いパターンでは、④をのぞく①②③のパターンでは、移動平均線は上向きであることが条件になっています。
ただし、④だけは他3パターンのように、移動平均線との関係に具体例がなく「価格が大きく下落し、移動平均線との乖離が大きくなったとき」です。
では、どのようにエントリーするのでしょうか。
投資には、「落ちてくるナイフは拾うな」という言葉があるように、やみくもに乖離が大きくなったから、反発しそうな気がする、という理由だけで逆張りしても資金を溶かすだけです。トレードしないこともトレード技術だと思います。
水平線やフィボナッチなどを用いて、複数の根拠を背に、反発を確認してからの短期トレードが無難かもしれません。
グランビルの法則|4つの売りパターン

続いては、グランビルの法則の4つの売りパターンを見ていきましょう。
基本的な解釈は、4つの買いパターンの逆と思って問題ありません。画像は、4時間足に移動平均線の期間200(200MA)を入れています。
実際のチャートにおけるグランビルの法則は、当然ながら番号通り、順番通りにはなりません。
⑤はトレンド転換のサインです。移動平均線が上昇から水平に、そして下降に変わったところをローソク足が移動平均線を下抜けでエントリーを狙います。
⑥⑦は下降トレンドの戻り売りのサインです。下向きの移動平均線に対して、ローソク足が下抜け、もしくは移動平均線手前で、反転のチャートパターンを確認したらエントリーです。
画像の⑧は、買いの4パターンで紹介した④と同様に、移動平均線から大きく乖離した状態です。少し分かりづらいですが、移動平均線は若干上向き、ダウ的に見ても戻り高値にあたる⑦を上抜けてます。
本来であれば、勢いのある日足や4時間足レベルのトレンドに対しての逆張りは避けるべきなので、安易にエントリーすることは避けましょう。
もしエントリーを狙っていくのであれば、前述したとおり、複数の根拠を背に短期トレードがおすすめです。
グランビルの法則まとめ
グランビルの法則は、日足に200日移動平均線が定石ですが、他の時間足や設定期間が異なる移動平均線を用いても、ある程度機能します。それは、グランビルの法則が一部をのぞいて、トレンドに対して順張りを推奨しているからでしょう。
グランビルの法則は、為替や株取引において有用な法則です。
ですが、実際にはそれ単体でトレードを行っても、勝率はキビシイものになるでしょう。複数の根拠や、チャートパターンと共に使うことで、その有用性が発揮できるでしょう。