現在多くのFXトレーダーが、プライスアクションやチャートパターンの分析を用いて、トレードをしています。
プライスアクションやチャートパターンは、ローソク足の組み合わせで作られていくものなので、まずはローソク足の見方を正しく理解することが不可欠になります。
今回はFXトレードの最も基本的な部分である、ローソク足についての解説と、プライスアクションの基礎、チャートパターンを一覧でわかりやすく解説していこうと思います。
チャートパターンとプライスアクション
現在、FXの勉強をしていると、「チャートパターン」や「プライスアクション」という言葉をよく目にします。
実はローソク足で作られている、このチャートパターンとプライスアクションは似て非なるものであり、勘違いして理解している人や、頭の中でごちゃまぜになっている人が意外と多くいるのです。
ここでは「チャートパターン」と「プライスアクション」を正しく理解していただくために、一つずつ詳しく解説していくので、正しく理解していってください。
チャートパターンとは?
チャートパターンとは、チャート上に現れる特定の形のことです。
チャートパターンが現れると、次に起こるであろう値動きを予想することができ、環境認識やエントリーの判断要素として取り入れることができます。
チャートパターンは「ダブルトップ・ボトム」や、「三尊・逆三尊」などのトレンド転換型のチャートパターンと、「フラッグ」や、「ペナント」などのトレンド継続型があり、トレンド転換型が出現した場合はトレンド転換を示唆し、トレンド継続型が出現した場合は、トレンド継続を示唆してくれるのです。
しかしチャートパターンには、特定のパターンが出現したにも関わらず、その後特定の動きに繋がらないいわゆる「ダマし」のような動きも頻繁に出現します。
この「ダマし」を回避するために、ローソク足や、プライスアクションをじっくり分析してエントリーすることが必要になってくるので、チャートパターンを見つけただけで安易にエントリーすることはおすすめできません。
じっくりと他の要素も加味した上でエントリーしてください。
プライスアクションとは?
プライスアクションとは、チャートパターンよりも細かく、ローソク足の動きを分析します。
最低1本のローソク足から分析し、ローソク足の形状や並びから「相場心理を把握する」ことを目的とした分析方法になります。
非常に短期間で、相場分析ができるのがプライスアクションであり、瞬発力に長けているのがプライスアクション分析の魅力と言っていいでしょう。
ヒゲや実体の形状から相場状況を読み解くので、ローソク足への深い理解が必要不可欠となります。
ローソク足の基礎
ローソク足について知る事は、チャートを読み解く上で必要不可欠です。まずは基本をしっかり押さえておきましょう。
ローソク足とは?
ローソク足とは、相場の分析をするのにとても便利な分析方法として、現在では最もポピュラーなチャート表示になっています。
高値・安値・始値・終値の4つの部分を、わかりやすい一つの図として表しているのがローソク足となっていて、任意で1本の足の期間を決めて表示することができ、1分足〜月足までを使用します。
その時間の中で上昇した足を陽線、下降した足を陰線と呼び、実体とヒゲを用いて表示されるローソク足を見れば、その時間の値動きを一目で把握することができます。
そうして作られていくローソク足が連なったものをローソク足チャートと呼び、さらにそれを複数の時間足を用いて分析(マルチタイムフレーム分析)をすることで、精度の高い分析に繋がります。
ローソク足の作られ方
ここでは基本的なローソク足の作られ方を、図を用いて簡単に説明します。

上画像のように、陽線であれば実体最下点が始値、実体最上点が終値です。
そして上下に伸びたヒゲが、その時間内に動いた幅となり、上ヒゲ先端がその時間内の最高値、下ヒゲ先端がその時間内の最安値を教えてくれます。

そして上図のように、短い時間足の集合体が、より長い時間足となり、それが連なることによってローソク足チャートが形成されていきます。
チャートパターン一覧
ここでは主なチャートパターンを簡単に紹介していきます。
実践で使いやすいものを中心に、6種類紹介していこう思います。
ダブルトップ・ダブルボトム

ダブルトップとは、高値圏で2回天井をつけた後、反転下落していく形です。
最もポピュラーなチャートパターンなので、トレード根拠として使用している人は多くいるでしょう。また、ネックラインは必ずしもフラットとは限らず、斜めにネックラインが引けることもあります。
天井圏や、底値圏でこのパターンが出現すると、大きなトレンドが転換するタイミングとなる可能性があり、うまくエントリーができた場合、大きな利益を得ることができる場合があります。
ヘッド・アンド・ショルダー

ヘッド・アンド・ショルダーとは3つの山と、2つの谷で作られるチャートパターンです。
両サイドの山が肩、真ん中の高い山が頭に見えることから、ヘッド・アンド・ショルダーと呼ばれるようになりました。
反転のチャートパターンとして非常に効果的で、このパターンを確認できると、相場の大きな反転を事前に察知できることもあります。
先程のダブルトップ・ボトムと同様に、大きなトレンドが転換するタイミングで発見できた場合は、大きな利益を期待することができるでしょう。
フラッグ

フラッグとは、旗のような見た目のチャートパターンであることから、そう呼ばれるようになりました。
トレンド中に、トレンドが継続することを、示唆しているチャートパターンです。
一方向に向かっていたトレンドが、一旦「戻り」や「押し目」をつけている状況になり、フラッグ完成後、それまでのトレンドに戻っていきます。
下画像は上昇フラッグの形状となり、下降フラッグの場合は上下逆の動きとなります。
ペナント

ペナントは、フラッグとよく似た形になっています。
フラッグとの違いは、値幅が徐々に狭くなっていく形状をしている部分です。
フラッグと違い、値幅が狭くなりながら、横に移動していくような形になります。
トレンド中の「横軸調整」期間となり、トレンドが一時休憩し、その後元のトレンドに戻っていくことになります。
また、ウェッジというチャートパターンとも似ているので、見間違いに注意が必要になってきます。
ボックス

ボックスとは、上値の抵抗線と、下値の支持線に挟まれた状態のことです。
いわゆる”レンジ相場”の状態で、よく見られる形状となっています。
ボックスもペナントと同様に、「横軸調整」のチャートパターンとなり、トレンドが一時的に休止している状態となります。
相場がどちらに動くか迷っている状態であったり、相場に方向感がないことが多いので注意してトレードする必要があるでしょう。
スパイク

スパイクとは急激にトレンドが伸びた後、急激にトレンドが反転し、そのままトレンド転換してしまうチャートパターンです。
指標発表や、急激にボラティリティーが上がった時に作られやすく、最後の力を振り絞った後に、力尽きてトレンド転換していくような形となります。
急激な値動きになるのでエントリーをするのにはリスクが伴いますが、成功すると、短時間で大きな利益を得ることができるので、スパイクは魅力的なチャートパターンの一つです。
チャートパターンの使い方・考え方
チャートパターンでトレードする場合、チャートパターンを見つけただけでは、そのトレードは成功しません。
そのチャートパターンが機能しやすい状況を見極める必要があるのです。
まずは、予めチャートパターンが形成されそうな状況を見つけることが必要になってきます。
(チャートパターンが完成してから発見しているのでは遅いです)

まず上画像の場面では何が想像できるでしょうか?
下降トレンドが、最安値をつけて反転上昇しています。
もう一度最安値まで下落してくると、ダブルボトムの形になるかもしれません。
しかし、一つ手前の下落のラインと同じラインまで下落し、その後上昇していく場合、きれいな逆三尊が完成するので逆三尊の形を想定して見張るほうがいいでしょう。

その後のチャートを見てみましょう。
先程の下落最後の戻りがネックラインになり、きれいな逆三尊が完成しました。さらに上昇後、逆三尊のネックラインで小さなダブルボトムを形成し、さらに上昇していきました。
この場合、逆三尊完成のネックライン上で、ダブルボトムが形成されるポイントが最も安全で、わかりやすいエントリーポイントになると思います。
このポイントをなるべく早く想定し、さらにインジケーターや、マルチタイムフレームでの分析も交え、待ち構えることができれば、チャートパターンでのエントリーを効果的に行うことができるでしょう。
また、時間軸の短いトレードやスキャルピングの場合、瞬発的な判断が必要になる場面が多くなるので、プライスアクションを正しく判断することが大切になってきます。
エントリーをする場合、一つ一つのローソク足からの情報を読み取り、相場の意思を把握し、トレードするように心がけていくと、少しずつトレードが上達していくでしょう。
まとめ
今回は、ローソク足の基本から、プライスアクション・チャートパターンまでを紹介していきました。
まずは、全ての基本であるローソク足を理解し、その後にプライスアクション・チャートパターンを勉強していくとスムーズではないかと思います。
ローソク足は単純でありながら、非常に奥が深く、FXトレードで最も大切な要素の一つとなります。
みなさんも是非、ローソク足・プライスアクション・チャートパターンをマスターし、FXトレードに生かしてください。