FXにおいて、「スキャルピングは初心者向きでは無い」と言う意見も多くあります。
数秒〜数分間の、超短期勝負であるスキャルピングは、数あるトレードスタイルの中でも、人気のスタイルです。
では、なぜ初心者向きではないのでしょうか。
本記事では、スキャルピング初心者に多い負け方や、勝てない理由について考えていきます。初心者の方や、スキャルピングに挑戦したい方も、ぜひ一緒に考えていきましょう。
スキャルピングってどんなトレードスタイル
スキャルピングとは、FXのトレードスタイルの中でも、超短期トレードのことです。1回のトレードで獲得できるpipsはすくないですが、1日に複数回トレードを繰り返すことで、利益を積み上げていきます。
一般的に、1回のトレードで大きめのロットを張り、数pipsの利益を1日に複数回積み重ねることで資金効率をあげる手法です。
ちなみに、FXのトレードスタイルに、明確な棲み分けの定義はありません。1分足もスキャルピングだし、トレーダー自身がスキャルピングだと思えば15分足でトレードしてもスキャルピングです。
スキャルピングは、エントリーから利確まで、瞬間の判断力が求められます。そのため、ポジション保有中は、目を離せません。しかし、ポジションを持ったまま夜を超えることも無いため、含み損を抱えて仕事に出勤することも必然的にないです。
そのため仕事で忙しく、チャートを頻繁に見る時間がない方にも、おすすめできます。
ちなみに、スキャルピングは「皮を剥く/剥ぐ」といった意味のようですね。相場の中で、数pipsの薄皮を剥いていくということです。
スキャルピングとは
・獲得pipsは1〜10pips程度。少ない利益を積み重ねる。
・ポジション保有時間は、数分間の短期トレード。数秒間で決済する、秒スキャと言われる手法もある。
・1日のトレード回数は多め。
FXのスキャルピングで初心者に多い負け方3選
FXのトレードスタイルの1つであるスキャルピングには、資金効率が良い事や、短期トレード故プライベートと仕事をきっちり分けられる事など、メリットがたくさんあります。しかし、初心者には難しいという声も多く上がっているのが現状です。
では、どのような事が原因で初心者は負けてしまうのでしょうか。
初心者に多い負け方を知ることで、勝つためのヒントにしていきましょう。
環境認識が苦手
エントリーした瞬間に逆行する。思ったように伸びない。という方は環境認識が間違っているのかもしれません。
大きな時間足から見れば、ヒゲ先やノイズとも思える部分でトレードするスキャルピングであっても、今の相場の流れを知ることはとても重要です。
とくに、1分足はダマシやイレギュラーな値動きが多いため、俯瞰的に相場を見ることが大切になってきます。
1分足、5分足などの短期足スキャルピングであっても、やはり環境認識を疎かにすると痛い思いをすることでしょう。
環境認識というと難しく聞こえてしまいますが、今の相場はどちらに優位性があるのか。これに尽きると思います。

水平線を引くだけでも、相場が分かりやすくなるはずです!

損切り貧乏|ルールを守れない
初心者スキャルパーにもっとも多い負け方は、トレードルールが守れない故の損切り貧乏でしょう。
トレードルールをしっかり決めたはずなのに、いざエントリーすると利確目標まで待てない。しかし、損切り位置まではしっかり握る。このパターンが多い気がします。
たとえば、利確目標の手前でピンバーなどの反転シグナルを確認。反発が強そうだと感じた場合、利確したくなりますよね。
私、個人の意見では、利確して正解だと思っています。
その後、反転することなくダマシに終わり、利確目標に到達したとしても、利確したことは間違いではありません。握ったまま反転して損切りするより何倍もいいです。
ただし、利確を早めにするのであれば、損切りも早めにする覚悟を持ちましょう。
超短期トレードのスキャルピングにおいて、極論ですが逆行した時点でシナリオは崩れています。1度切って仕切り直すか、もっと根拠がある位置まで引きつけましょう。
利確は早め、損は握る。このパターンはリスクリワードが必然的に悪くなってしまいます。トレードを繰り返しても、1度の損切りで今までの勝ち分を失うでしょう。仮に連敗してしまうと、取り返すために無理なエントリーをしてしまったり、ロットを張ってしまったりと、デメリットしかありません。
ポジションを握る握力や、ダマシを見極める選球眼は、経験と運です。
もちろん、自分はガチガチにルールを決めて、何があろうとルールは守り通す。という固い決意があるのであれば、それも正解です。むしろ多くの教材や、SNSではこちらが推奨ですね。
取引高やスプレッドを意識する
スキャルピングは、狙う値幅が比較的狭く、ポジション保有時間が短いトレードスタイルです。
そのため、取引量が極端に少なく、スプレッドが広がる時間帯は、苦手としています。というより、値動きが少なく、スプレッドも広い状況では、スキャルピングになりません。
早朝や、大手市場が休場の日などは、取引の絶対量が少なく、想定外の急騰、暴落が起りやすくなります。スプレッドも広くなるため、トレードしないことも選択肢の一つです。
また、FX会社によっても、大きく環境が変わります。
スプレッドの広がりや狭さは、会社が独自に決定するものです。スキャルピングをトレード手法として考えるのであれば、FX会社選びで約定力とスプレッドの狭さは外せないポイントになります。
スキャルピングで利益をあげるコツ
FX初心者が、スキャルピングで勝つためのちょっとしたコツについてまとめました。スキャルピングだからといって特別なことはありません。スイングトレードでも、デイトレードにおいても基本的なことは同じです。
マルチタイムフレームで環境認識をする
1分足のスキャルピングであっても環境認識はとても重要です。まれに1分足でトレードを行うのに、日足や週足を見る必要があるの?という方もいらっしゃいますが、現在結果が出ていないのであれば、長期の時間足も毎日確認する事をおすすめします。
マルチタイムで環境認識を行う。つまり、複数の時間足で相場を見ることで、大きな流れに対して、今の流れはどっちに傾いてるのか。それともレンジなのかを見極めることができます。
大きな流れに逆らわないことは、トレードにおいて大事なことです。しかし、大きな流れに順張りであっても、短期的な流れに逆張りしていては、エントリーした瞬間から含み損になる場合もあります。
マルチタイムフレームで確認したいのは、大きな流れの方向感、短期足の方向や過熱感と、短期足はどこで強い反発が期待できるかということです。
スキャルピングは、分かっていても視野が狭くなってしまいます。自分が大きな相場の中の、どこで戦っているのかを意識するためにも、複数の時間足(マルチタイムフレーム)で環境認識することが重要です。
トレンドに対して基本は順張り
基本的に相場は、トレンドとレンジを繰り返しています。ダウ理論によれば、「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」と言われ、チャールズ・ダウ没後100年以上たった今でもこの理論は健在です。
スキャルピングでは、細かいレンジの往復や、反転のヒゲ先を狙うこともできます。しかし、初心者がいきなり狙うには難易度も高く、ダマシも多いためオススメしません。
スキャルピングのような短期トレードでは、長期足に対しては逆張り。短期足には順張りでも利益を上げることは可能です。
しかし、現在負け越しているならば、長期足と短期足のトレンドが一致する場面。少なくとも、自分がトレードする時間足と上位足のトレンド(具体的には、上位足のトレンド(1分足スキャなら5分足や15分足)に順張り)が一致する場面に絞って、順張りすることをおすすめします。
根拠がある所まで待つ
スキャルピングは、トレード回数の多さや、スピーディーなトレードを繰り返す事から1回のトレードに対する思考時間が必然的に短くなってしまいます。
ベテランの中には、秒単位でエントリーから決済を行う方もいらっしゃったりと、その技術は、まさに職人技です。
しかし、これはしっかりと確立した手法や経験があってなせるワザ。初心者や、現在伸び悩んでいる人がいきなり出来る事ではありません。
では、初心者はどうしたらいいのでしょうか。
答えは簡単です。1回のトレードを熟考しましょう。
極論を言えば、仕事としてトレードをする方達をのぞいて、1回のエントリーまでにかける時間は無制限ですよね。スキャルピングだからといって1日になんどもエントリーする必要はないはずです。
どんなトレードスタイルでも同じですが、自分が自信を持ってエントリーできる、根拠が明確なポイントまで待ちましょう。
できれば、なぜそこでエントリーしたのか説明できれば完璧です。
取引時間のボラリティも意識してみるといいでしょう。

プライスアクションやチャートパターンもエントリー根拠の一つになります。


スキャルピングに限らず、トレード前半に言えることですが、短期取引であるスキャルピングでは特に意識したいポイントをまとめました。
- 環境認識を大事にする(長期足も毎日確認。)
- 取引する時間帯に注意する。指標やイベントの直前にエントリーを控える。ボラリティがない時間帯に取引しない。
- 勝率重視(値幅を欲張らない)
- 感情的なトレードをしない
- 想定した値動きにならなければ、早めに撤退
- ストップは必ず入れる。
- 分かるとこしかエントリーしない。
まとめ
FXには、様々なトレードスタイルが存在します。
今回は、その1つであるスキャルピングについて解説しました。初心者にはハードルが高いと言われるスキャルピングですが、スイングやデイトレードと違ってトレード回数が多いということは、経験を積み重ねるチャンスが多いというメリットでもあります。
無理の無い範囲でチャレンジしてみましょう。