【損失】損切り貧乏を改善するために|FXで上手に負ける方法とは?

【損失】損切り貧乏を改善するために|FXで上手に負ける方法とは? FXの基礎知識

「損切りを制するものはFXを制する」と言っても過言では無いほど、FXトレードにおける損切りは重要なポイントになります。

チキン利確・損切り貧乏など、どれもうまく決済が出来ないトレーダーが陥る状況です。

利確・損切りなどの決済をする行為は、エントリーをする行為と同等かそれ以上に収支に直結すると認識していただく必要があるのです。

そこで今回は、決済の中でも最も基本的な、「損切り」について解説していこうと思います。

FXの損切り

FXにおける損切りとは、マイナスのポジションを保有している際に、それ以上の損失を避けるため、現時点の損失を許容し確定させる行為です。

FXには100%勝てるトレードがないため、プロの熟練トレーダーでも必ず損切りをします。

そして、エントリー手法以上に収支に直結するのが決済手法

利益確定・損切りと2種類ある決済の行為において、まず初めに覚えていただきたいのが、生存確率に直結する損切りなのです。

僅かな人しか生き残っていけないFXでは、勝ち続けることよりも負け続けないことが大切だと言っても過言ではありません。

ここで損切りをマスターしていただき、「死なないトレーダー」になることが、勝利への一番の近道だと思います。

指値注文での損切り

1つ目は、エントリー時にあらかじめ注文を入れることで、価格が指定した位置まで推移した場合、自動で損切りを行う方法です。

自動で損切りを行う方法は、デイトレード・スイングトレードで用いられることが多く、チャートを監視していなくても損切りを自動で行ってくれます。

あらかじめ損切り位置を決めておくことで、感情的なトレードになりづらく、戦略に沿ったトレードを遂行しやすいことがメリットです。

また、経済指標などの急な価格変動が起きた場合にでも、必要以上の損失を避けることが出来るため、最も安全な損切り方法となります。

逆にデメリットは、多くのトレーダーの損切りを発動させていく大口トレーダーの【ストップロス狩り】の餌食になりやすく、「自分の損切りが発動したあとに思い通りの方向に進んでいく」ことも起こるでしょう。

手動での損切り

2つ目は、チャート上でこれ以上の損失を許容できないと判断し、分の手で決済を行い損失を確定させる方法です。

この方法は主に、短期的なデイトレードやスキャルピングで用いられることが多い損切り方法。

また、損切りの指値を入れていた場合でも、手動で損切りを行うことも出来ます。

手動で損切りを行う最大のメリットは、相場の状況に応じて臨機応変に対応できることです。

しかし裏を返せば、それだけ柔軟な対応を求められる事になり、特に初心者トレーダーの場合は、損切りを先延ばしにしてしまい、とんでもない負債を抱えてしまう可能性もあります。

そのため、エントリー時にあらかじめ損切りを設定しておき、その価格までにエントリー根拠が崩れた場合は手動で決済するという、2段構えの損切り手法がオススメです。

※この損切り手法に関して、エントリー手法や根拠により、方法論や考え方が変わってくるため、今回の記事ではここでの紹介のみとさせていただきます。

上手な損切りが出来ると月利が改善する。その為に必要なこと

先程の章では、決済、特に損切りがうまくなると収支が安定するとお伝えしました。

損切りとは、「負け」と思われがちですが、FXで安定した収支を残しているトレーダーは「必要経費」と捉えています。

FXや投資だけにとどまらず、お金を稼ぐためには【収入(利確)−必要経費(損切り)=利益】の方程式に当てはめて、戦略を立てることが必要です。

しっかりとした戦略でトレードできていれば、損切りを悔しがる必要がなく、必要経費を払ったまでなのです。

ここでは、上手な損切りをするために必要なことを、解説していこうと思います。

自分の許容ロット

FXで取引をする際、どのような方法でロットを決めていますか?

まずロットを決める際に大切なことは、許容できる損失を考える必要があります。

さらに、国内FXか海外FXかによってかけられるレバレッジが違うため、一概に言えませんが、一番オススメのロット数は【証拠金の1%の損失】で収められるロット設定です。

さらに、%で計算する場合にはからくりが隠されており、証拠金が少なくなればなるほど損失額も減っていくため、実際には100連敗以上しても0にはなりません。

例えば証拠金が10万円の場合、一度の損失で1,000円失うことが出来ます。

逆に勝ち続けた場合は、安全に徐々にロットが増えていくため、利益金額も少しずつ増えていくことになり、資金増加スピードが徐々に上がる仕組みです。

ポイントとなるのは、pips数やロット数を縛るのではなく、損失金額に合わせてロットを計算してください。

さらに、自分が冷静な判断を出来るロットでのトレードが大切です。

金額にビビってしまい予定より早く損切り、損失を許すことが出来ず損切りを先延ばしなど、感情に流されたトレードをしないためにも、損失をしても痛くないロット設定をおすすめします。

具体的な戦略を持ってトレード

損失額を計算するためには、具体的な損切り位置をあらかじめ定めておく必要があります。

さらに、そのトレードが有効かを判断するためには、利確位置も定めておく必要があり、損失と利益のバランス「リスクリワード」によってトレードを仕掛けるかの判断が必要です。

リスクリワードと勝率を相対的に計算し、割に合うトレードをしてください。

割に合うトレードの判断は難しくなりますが、デモトレードや過去チャートでデータを取ることで、平均勝率・平均リスクリワードを出すことが出来ます。

そのデータを元に、バルサラの破産確率を当てはめることで、大まかに手法の有効性を図ることが出来るのです。

あくまでも「検証」なので、現実のトレードが必ずしも同じ結果になるとは限りません。

しかし、検証結果を元にトレードスタイルを確立していくことで、損失を出さずにトレードの腕を上げることが出来るので、新たな戦略を試す前に「検証」をおこなうことは非常に有効な手段となります。

バルサラの破産確率とは

バルサラの破産確率とは、数学者の「ナウザー・バルサラ」という人物が考案した、トレード手法が将来的に破産する確率を計算することができるものです。

損益率・勝率・資金率の3つの数字を表に当てはめることで、現在のトレード手法が有効なのかを推し量ることが出来ます。

計算が少し複雑になるため、あらかじめ計算されている表に自分のトレードを当てはめることが一般的な使用方法となっており、新たなトレードスタイルを実践する前には、一度当てはめてみましょう。

エントリー根拠と損切り、利確の時間軸を揃える

損切り・トレード戦略の精度を高めるために、もう一つ大切なことがあります。

それは、時間軸を揃える事です。

具体的に説明すると、戦略を立てた時間軸で、エントリー・決済をすることが大切になります。

例えば、1時間足でのエントリー根拠でエントリーをしたのにも関わらず、15分足や4時間足で決済をする場合、エントリーと違う時間軸での決済となってしまう事で、エントリーと決済の根拠にズレが生じるのです。

エントリーと決済の根拠にズレが生じることで、合理性に欠けたトレードとなります。

マルチタイムフレーム分析は、あくまでも環境認識の手段なのです。

自分がどの時間軸でトレードをしているのかを常に意識することで、ブレのない合理的なトレードが実現します。

実際のチャートで解説。損切り位置の考え方

損切り位置の考え方 例①

USD/JPY 1時間足

上記のチャートは、ある日のドル円の1時間足チャートです。

急な下降トレンド形成後、フラッグを形成しています。

そのフラッグを大陰線で下抜けしたところで、直近安値と直近高値の真ん中あたりに位置したため、直近高値を損切り・直近ヒゲ安値を最低限の利確目標とし、リスクリワード1対1のエントリーをしてみます。

この場合、黄色線赤色線も損切り候補となりますが、その場合最低利確目標とのバランスも悪く、利小損大の戦略となってしまいます。

損小利大のトレードを目指すためにも、直近高値や直近安値に損切りを置くことが有効です。

利確位置

その後のチャートを見てみると、大きな下降トレンドを形成し、ダウ理論が崩れた黄色丸まで保有することができれば、大きな利益を得ることが出来たでしょう。

損切り位置の考え方 例2

GBP/JPY 5分足 エントリー
GBP/JPY 5分足

上記チャートはポンド/円の5分足です。

1時間足の高値更新を根拠に、オレンジの円でロングエントリーと仮定します。エントリータイミングには、5分足のボリンジャーバンドの-1αで反発し上昇が続いていることから、これでタイミングを見てのエントリーです。

それでは、損切り位置について考えていきましょう。

仮に青ライン(ボリンジャーバンドの下)に損切りを置いた場合、すぐに狩られ、その後に上昇と悔しい結果になってしまいます。結果論で言えば、エントリーが早すぎると言われてしまいますね。高値抜けの戻りを狙うのなら、もっと待べきところ。

GBP/JPY 5分足 損切り位置

損切りの位置としては、1時間足の前回高値がレジサポとして機能しやすい為、その下(候補①)。しっかり引きつけてエントリーしたいのは、レジサポとして機能するか反発を確認したいからです。ただし、短期足ではあっさり抜けてくることも多々あります。損切りを最小限にしたいのであれば候補の一つですね。

リスクリワードで1:1以上が見込めるなら、ダウが崩れる1時間足押し安値の下(候補②)。1時間足の波に乗って行くのであれば、1時間足のダウが崩れるポイントが損切り位置です。

まとめ

今回は、FXでの損切りの方法や、心構えについて解説しました。

FXで安定した利益を上げる為に、最も重要と言っても過言ではないほど、損切りは重要な決済行為となります。

安定した損切りを行い、損失をコントロールする事により、FXの収支を、安定したものにする事が可能です。

みなさんも是非、損切りマスターになり、FXの収支を安定させてください。